今回は、サッカーで最も基本的な技術の一つである「リフティング」について、皆さんにお話ししていきたいと思います。
リフティングは、ボールタッチの感覚を養う最高の練習方法です。でも、最初は誰でも苦手ですよね。僕も小学生の頃は全然できなくて、友達が上手にリフティングしているのを見て「どうしたらあんなに上手くなれるんだろう」と悩んでいました。
でも大丈夫!この記事では、僕が実際に経験してきた練習方法や、多くの仲間を指導してきた中で見つけた効果的なコツを紹介していきます。1日たった10分の練習で、あなたもきっと上手くなれるはずです。
リフティングが上手くなるとどんないいことがある?
サッカーの試合で活躍したい!そう思っている皆さんにとって、リフティングの上達は想像以上に大きな意味を持っています。
まず、リフティングが上手くなると、ボールをコントロールする能力が格段に向上します。相手からのパスやクリアボールなど、空中から降ってくるボールを確実に止められるようになります。試合中、ボールを確実にキープできることは、チームメイトからの信頼を得る近道なんです。
また、リフティングの練習を続けることで、ボールに対する集中力も自然と高まっていきます。ボールの動きを予測する力が養われ、試合中の判断スピードも上がっていくんです。
さらに、リフティングは「どこでも一人でできる」という大きな特徴があります。学校のグラウンドはもちろん、公園や自宅の庭、玄関先でもできます。時間がある時にコツコツ練習を積み重ねることで、確実に上達していけるんです。
練習を始める前に準備すること
リフティングの練習を始める前に、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
まず、練習場所の確保です。リフティングの練習は、ボールが転がってしまうことが多いので、できるだけ平らな場所を選びましょう。自宅で練習する場合は、壊れやすいものを近くに置かないように注意が必要です。また、周りの人の迷惑にならないよう、ボールが飛んでいく方向にも気を配りましょう。
次に、適切なボールの選択です。リフティングの練習には、空気圧が適正なボールを使うことがとても重要です。空気が少なすぎるとボールが重たく感じて思うように蹴れませんし、多すぎるとコントロールが難しくなってしまいます。ボールを地面に落として、ちょうど腰の高さまで跳ね返るくらいが理想的です。
そして最も大切なのが、「継続できる時間の設定」です。最初から長時間の練習を目標にすると、途中で挫折してしまう可能性が高くなります。この記事では「1日10分」を目安に練習方法を紹介していきますが、これは決して長い時間ではありませんよね。学校の休み時間や、家に帰ってからの少しの時間でも十分に練習できます。
7つの基本的なコツ
実際のリフティングのコツを伝えます。
1. 正しい蹴り方を身につける
リフティングの基本は、ボールを「蹴り上げる」のではなく、「すくい上げる」ということです。多くの初心者が、ボールを強く蹴り上げようとして失敗してしまいます。
ボールを足の甲で「そっと」すくい上げるイメージを持ってください。まるで、スプーンでプリンをすくうような感覚です。足首は少し固定して、膝から下全体を使ってボールをすくい上げます。
最初は低い高さで練習するのがコツです。膝の高さくらいまでしかボールが上がらなくても全然問題ありません。むしろ、低い高さでコントロールできることの方が重要なんです。
2. リズム感を大切にする
リフティングは、単にボールを蹴り続けるのではなく、一定のリズムを保つことが大切です。「トン、トン、トン」というように、規則正しいリズムを意識してみましょう。
このリズム感を身につけるために、最初は声を出しながら練習するのもおすすめです。「イチ、ニ、サン」と声を出しながらリフティングすることで、自然とリズムが生まれてきます。
3. 視線の位置を意識する
リフティングをする時の視線は、ボールの真上ではなく、少し前方に置くことをおすすめします。ボールばかりを見ていると、上半身が前のめりになってしまい、バランスを崩しやすくなります。
サッカーの試合では、周りの状況を見ながらボールを扱う必要があります。リフティングの練習でも、時々周りを見る習慣をつけておくと、試合での実践につながりやすくなりますよ。
4. 体の軸を意識する
リフティングをする時は、体の軸がぶれないようにすることが重要です。両足を少し開いて安定した姿勢を作り、上半身はリラックスさせます。
特に初心者の方は、ボールを追いかけ過ぎてしまい、体の軸がズレてしまうことが多いです。ボールが少し前に行ってしまっても、すぐに追いかけるのではなく、一度落として最初からやり直す方が、正しい感覚を身につけやすいでしょう。
5. 段階的な練習方法を取り入れる
リフティングは、いきなり連続して蹴ることを目指すのではなく、段階的に練習を進めていくことが大切です。
例えば、
- ボールを手で持って落とし、1回蹴って受け取る
- 2回連続で蹴れるようになったら3回に挑戦する
- 徐々に回数を増やしていく
というように、少しずつステップアップしていきましょう。
6. 左右の足をバランスよく使う
サッカーの試合では、左右どちらの足でもボールを扱える必要があります。リフティングの練習でも、最初から両足を使うことを意識しましょう。
得意な足で5回できたら苦手な足で1回、というように目標を立てて練習すると、バランスの良い上達が期待できます。最初は苦手な足での練習は難しく感じるかもしれませんが、これも練習あるのみです!
7. 楽しみながら続けること
どんな練習でも、続けることが一番大切です。そのためには、練習自体を楽しむことが重要になってきます。
例えば、友達と「何回続けられるか競争」をしたり、「左右交互に何回できるか」にチャレンジしたり、様々な目標を立てて練習してみましょう。
上達のための練習メニュー
ここからは、実際の練習メニューを紹介していきます。1日10分の練習時間を、以下のように組み立てていくと効果的です。
ウォーミングアップ(2分)
まずは体を温めることから始めましょう。足首を回したり、軽くジョギングしたりして、体を動かせる状態にします。ボールを使ったウォーミングアップとして、ボールを転がしながら歩いたり、軽くドリブルしたりするのもおすすめです。
基本練習(5分)
この時間で、基本的なリフティングの練習を行います。最初は1回蹴って捕球、これを20回ほど繰り返します。慣れてきたら2回、3回と徐々に回数を増やしていきましょう。
左右の足を意識的に使うことを忘れずに。得意な足ばかりを使っていては、バランスの良い上達は望めません。
チャレンジタイム(3分)
残りの時間は、その日の調子に合わせて自由な練習を行います。
- 連続回数に挑戦
- 左右交互のリフティング
- 膝を使ったリフティング
- 歩きながらのリフティング
など、様々なバリエーションを試してみましょう。
よくある失敗とその対処法
リフティングの練習中によく起こる失敗について、その原因と対処法を説明していきます。
ボールが前に飛んでいってしまう
これは最も多い失敗パターンです。原因は大きく分けて2つ考えられます。
1つ目は、蹴る力が強すぎる場合です。リフティングは、思っているよりもずっと優しい力で行います。最初は力を抜いて、膝の高さ程度まででコントロールする練習から始めましょう。
2つ目は、足の甲が上を向きすぎている場合です。足の甲は地面と平行か、やや下向きを意識します。上を向きすぎると、ボールが前方に飛んでいってしまいます。
左右にボールが流れてしまう
これは、足の当て方がボールの中心からズレている場合に起こります。ボールの中心よりも外側に当たると内側に、内側に当たると外側に流れていきます。
練習時は、ボールの真ん中を狙って蹴ることを意識しましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、これも繰り返しの練習で改善されていきます。
リズムが取れない
リズムが安定しない場合は、一度基本に立ち返って、1回蹴って捕球する練習から始めましょう。声を出しながら練習すると、自然とリズムが生まれてきます。
また、焦って速いリズムで蹴ろうとすると、かえってコントロールが難しくなります。最初はゆっくりとしたリズムで練習することをおすすめします。
モチベーションの保ち方
練習を続けていく上で、モチベーションを保つことはとても重要です。ここでは、継続するためのコツを紹介します。
小さな目標を設定する
「いきなり100回!」のような大きな目標を立てるのではなく、「今日は3回連続を5セット」といった、達成可能な小さな目標を立てましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自然とやる気も続いていきます。
記録をつける
練習の記録をノートやスマートフォンなどにつけていくと、自分の成長を実感しやすくなります。「今日は連続何回できた」「左足で何回できた」といった具合に、細かく記録を取っていきましょう。
仲間と一緒に練習する
一人で練習を続けるのは、時に孤独を感じることもあります。同じように練習している仲間がいれば、お互いに刺激し合いながら上達していけます。学校の休み時間や放課後に、友達と一緒に練習する時間を作ってみましょう。
コツコツ続けることが上達の秘訣
リフティングの上達には、地道な練習の積み重ねが必要です。でも、決して難しいことではありません。この記事で紹介した7つのコツを意識しながら、毎日10分の練習を続けていけば、必ず上達は見えてきます。
最初は思うようにいかないことばかりかもしれません。でも、それは誰もが通ってきた道です。諦めずに続けることで、きっと「できた!」という喜びを味わえる日が来るはずです。
皆さんの練習の成果が、試合での素晴らしいプレーにつながることを願っています。さあ、今日から一緒にリフティング練習を始めましょう!